☕ コーヒー豆知識帳

きゃろっと内倉さんのメルマガから学ぶ、コーヒーの世界

珈琲の常識は非常識!?

北海道・恵庭のスペシャルティコーヒー専門店「珈琲きゃろっと」の内倉大輔さんが
お客様の質問に答えるメールマガジンを、わかりやすくまとめました。

24
記事数
7
カテゴリ
2026
最新配信年
コーヒーの膨らみ
☕ 抽出・淹れ方

膨らまない原因

届いてすぐに挽いて淹れても粉が膨らみません。膨らむのには挽き加減やお湯の温度が関係しているのでしょうか?

新鮮な豆でも膨らまないケースは意外と多いんです。原因は大きく4つあります。

  • 浅めの焙煎度(ハイロースト以下)は細胞密度が高く、ガスが入る隙間が少ない
  • 挽き加減が極端に細かい or 粗いと、ガスが抜けてしまう
  • 密閉せず保管するとガスが数日で抜ける
  • 蒸らし時のお湯が85℃以下だと膨らみにくい

浅い焙煎度の場合

ハイローストより浅めの銘柄は、豆の細胞密度が高いため炭酸ガスが入る隙間が少なく、焙煎直後でも膨らみは弱くなります。逆に深煎りほどよく膨らみます。

挽き加減の問題

細かく挽きすぎると炭酸ガスが粉砕時に放出されてしまいます。逆に粗すぎると断面からお湯が入れず膨らめません。届いてすぐなのに膨らまない場合は、この原因が最も多いそうです。

保管方法

密閉容器に入れれば1ヶ月以上膨らみますが、パックを開けたまま保管すると数日でガスが完全に抜けてしまいます。

お湯の温度

85℃以下になると、特に中煎りより浅い焙煎度の豆はほとんど膨らみません。

📅 2026.04.09 配信 ☕ きゃろっと内倉
ドリッパーの種類
🫗 器具

ドリッパーの素材と種類

一つ穴と三穴、陶器製やプラスチックなどありますが、結局どれがおすすめですか?ゴールドフィルターは粉っぽくなるのですが…

内倉さんの個人的おすすめは「ネルドリップ」。ただし管理が面倒なので、ペーパーなら素材選びが鍵です。

  • ネルドリップが最もおいしく抽出できる(管理は面倒)
  • ゴールドフィルターは若干粉っぽくなるが優れた方法
  • ペーパーはカリタ製が最も紙の臭いが少ない
  • 陶器 vs プラスチックの味の差はほぼなし

陶器とプラスチックの違い

出来上がりの温度に影響します。陶器は素材が厚く蓄積できる熱量が多いため、注いだお湯の熱を吸収し、出来上がりの温度はプラスチックに比べて若干低くなります。

味への影響

同じ構造なら陶器とプラスチックで味の違いはありません。ただしプラスチックの素材によっては、プラスチック臭がコーヒーに付いてしまう場合があるので注意。

フィルターの素材が重要

ドリッパーの穴の数よりも、フィルター自体の材質が味に大きく影響します。ペーパーフィルターならカリタ製がおすすめとのこと。

📅 2026.03.25 配信 ☕ きゃろっと内倉
煎りムラ
🔥 焙煎

煎りムラ — 色の違いは良い?悪い?

薄茶色のコーヒー豆が混入していることがありますが、味に影響しますか?やけに薄い色の豆は欠点豆ですか?

色の違いには様々な原因があります。すべてが「悪い」わけではないんです。

  • 豆のサイズや水分量のバラつきが主な原因
  • スクリーン違いによる煎りムラなら品質に問題なし
  • 未成熟豆は渋みの原因になるので取り除く
  • 色を均一にするのは実は簡単(でも味が犠牲に)

色が薄い豆の正体

「スクリーン(粒の大きさ)の違いによる煎りムラ」の場合、豆自体の品質に問題はありません。浅い焙煎の豆をブレンドしているようなもので、味に影響がなければそのままでOK。

注意が必要なケース

「未成熟豆」のような欠点豆だけ色が薄く煎り上がることがあります。未成熟豆は抽出時に渋みの原因になるため、取り除く必要があります。

色の均一さ ≠ おいしさ

弱火で時間をかけると色は均一で美しくなりますが、フレーバー成分が発達せず、豆内部だけが焼けた「芯焦げ」状態に。見た目は美しくても失敗焙煎です。逆に強火すぎると焼きムラと表面焦げに。適正なカロリー量のバランスがお店の味作りになるとのこと。

📅 2026.03.10 配信 ☕ きゃろっと内倉
コーヒーの温度
🌡️ 温度

出来上がりの温度 — 熱いコーヒーを飲みたい!

ドリップの適温は90〜95℃なのに、喫茶店のコーヒーは100℃近い。温め直すと味が変わるのでしょうか?

内倉さんの推奨抽出温度は85〜90℃。ここから意外と温度が下がるんです。

  • 抽出後、冷えたカップに入れると65〜70℃まで下がる
  • カップを予めお湯で温めておくだけで大きく改善
  • 電子レンジで温め直してもすぐ飲めばOK
  • 実は45〜50℃のぬるめが一番おいしい温度帯

温度と味の関係

コーヒーが熱すぎると舌が熱さの刺激で味を感じにくくなります。飲みごろの温度は一般的に40〜60℃程度。

温め直しについて

温めすぎると熱による酸化が急速に進みますが、すぐ飲む場合はそこまで問題ありません。電子レンジで温めても大丈夫です。

内倉さんのベスト温度

個人的には45〜50℃くらいのぬるいコーヒーが一番好きとのこと。品質の良いコーヒーなら、この温度帯でもクリーンで雑味がなく、高温の刺激も少ないため、コーヒーのキャラクターが最も魅力的に感じられるそうです。

📅 2026.02.23 配信 ☕ きゃろっと内倉
泡と温度
☕ 抽出・淹れ方

泡、温度、抽出時間

ドリップでコーヒーをいれているときに、粉の泡が茶色の時と白色(透明)の時がありますが、どのような違いがあるのでしょう?お湯の温度は何度がベストですか?

泡の色は様々な要因で変わるが、判断材料としてはあまり使わない方が無難。推奨湯温は焙煎度別に異なります。

  • 泡の色は焙煎度・鮮度・湯温など複数要因で変わる
  • 中煎り87-90度、中深煎り85-87度、深煎り83-85度が推奨
  • 1杯取りは専用ドリッパーか2人前以上で抽出が安定
  • 味の安定は「いつも同じ量、同じ方法で、きちんと計る」

泡の色について

豆が新しい方、お湯の温度が高い方、抽出の後半ほど泡が白くなりやすい傾向があります。ただしファクターが多すぎるため、泡の色で抽出の良し悪しを判断するのは難しいです。

焙煎度別の推奨湯温

中煎り87〜90度、中深煎り85〜87度、深煎り83〜85度。特に深煎りは湯温が高いと苦みが突出してしまいます。

抽出時間と味の安定

目安は3〜4分以内。「20gの豆、87度のお湯、中細挽き、250cc抽出」のように完全に決めてしまうと驚くほど味が安定するとのこと。

📅 2026.02.08 配信 ☕ きゃろっと内倉
焙煎機とデータ
🔥 焙煎

焙煎の安定性と焙煎機【後編】

安定した焙煎のためには「熱量」「風量」を数値として可視化することが重要。きゃろっとの焙煎システムの秘密に迫ります。

  • カロリー・排気風量・時間を1秒ごとにグラフ化
  • 過去データと重ねて差異を一目で確認できるシステム
  • 1バッチの焙煎時間差はほぼ0秒という精度
  • グラフが同じ曲線なら100%同じ味を再現できる

数値化による安定焙煎

カロリー、排気風量、時間を1秒ごとに折れ線グラフ化し、過去の焙煎データと重ねて差異を確認。気温や気圧の変化があってもグラフが同じ曲線を描けば同じ味を再現できます。

風量測定の重要性

強風の場合、煙突内の空気が引っ張られ強制排気状態に。風量を可視化していないと同じ操作でも焙煎時間に1分以上の開きが出てしまいます。

驚異の精度

熱量そのものを数値化し、温度変化による空気の膨張率も全て計算。急激な気温変化でも+-10秒程度の誤差で焙煎可能。グラフ曲線が同じならカッピングなしでも100%同じ味になります。

📅 2026.01.24 配信 ☕ きゃろっと内倉
焙煎機
🔥 焙煎

焙煎の安定性と焙煎機【前編】

焙煎機の操作は「火力」と「排煙」の2つだけ。しかし「時間」が加わることで無限のバリエーションが生まれます。

  • 焙煎機の操作は「火力の調整」と「排煙の調整」だけ
  • 気圧・気温・風の強さで仕上がりが変わる
  • 同じガス圧でも温度で「熱量」は変わる
  • 解決策は「風量」と「熱量」を可視化すること

焙煎の難しさの本質

通常の焙煎機はガス圧計とダンパーで調整しますが、同じ操作をしても温度変化で「熱量」「風量」が変わるため、毎回同じ味になりません。これが「店によって味が変わる」最大の原因です。

カッピングによる品質管理

焙煎後に10gを中細挽きにし150ccのカップでカッピング。一定条件で品質を評価し、いつも同じ味を再現する必要があります。

環境の影響

風が強い日は煙突内の空気が引っ張られ、すごく小さな環境変化でも焙煎に与える影響は大きい。1つのファクターの違いで味が大きく変わってしまいます。

📅 2026.01.09 配信 ☕ きゃろっと内倉
キャニスターとブレンド
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キャニスターとブレンド

キャニスターに入れる事の是非と2種類の豆のブレンドは自由ですか?収穫年で多少の違いがあるのかしら?

キャニスターより、コーヒー袋のまま空気を抜いてジップを閉める方が鮮度が長持ちします。

  • キャニスターは豆が減ると酸素が増え酸化が進む
  • コーヒー袋のまま空気を抜いて閉めるのがベスト
  • ブレンドは焙煎度が近い銘柄で揃えるのがおすすめ
  • コーヒーも農産物なので収穫年ごとに品質は変わる

キャニスターの問題点

保存ビンやキャニスターは豆の容量が減るにしたがって内部の酸素量が相対的に増えるため、豆が減るほど酸化が早まります。コーヒー袋のまま空気を抜いてジップを閉める方が鮮度劣化を抑えられます。

ブレンドの基本原則

極端に焙煎度の違う豆同士をブレンドするのは難易度が高く、お互いの個性を消してしまったり突き刺すような酸が出ることも。なるべく焙煎度が近い銘柄(色が同じくらい)で揃えましょう。

📅 2025.12.25 配信 ☕ きゃろっと内倉
ツヤツヤの豆
🫘 豆の知識

豆全体がツヤツヤと光っている?

定期便のマンデリンを開けたところ、豆全体がツヤツヤと光っていて濡れているようでした。電動ミルで挽いたところ途中で詰まりました。何が原因でしょうか?

豆の表面のツヤは「コーヒーオイル」という脂分。深煎りで細胞が膨らみ表面に浮いてきます。品質には問題ありません。

  • ツヤの正体は「コーヒーオイル」で品質に問題なし
  • 深煎りにすることで細胞が大きくなり表面に脂が浮く
  • 浅煎りでは脂が浮かない(焙煎度の問題)
  • 使用後はミルをティッシュで清掃するのがおすすめ

コーヒーオイルとは

深煎りにすることで豆の細胞が大きくなり、コーヒーオイルが表面に浮いてきます。銘柄特有のものではなく焙煎度の問題で、深煎りの銘柄は全て同じような状態になります。

ミルへの影響

ミル自体に悪影響はありませんが、脂分でミルに粉が付着します。長期間使用しないとミルに残った脂分が酸化して味に悪影響を及ぼすので、使用後はティッシュで清掃しましょう。

📅 2025.12.10 配信 ☕ きゃろっと内倉
カフェプレス
☕ 抽出・淹れ方

カフェプレスに関して

プレスでコーヒーを淹れるようにしましたが、最後の一口ぐらいに嫌な酸味を感じます。最後にカップの底に粉状に残るのも気になります。何かポイントはありますか?

フィルターを最後まで強く押し込まないことが雑味を防ぐ最大のポイントです。

  • フィルターを底まで強く押し込まないこと
  • 底から5mm程度の抽出液は使用しない方がクリーン
  • 2杯分なら先に2杯とも別の容器に移す
  • 1人前の豆は7-8g、計算式は「お湯の量÷145cc×7g」

雑味を出さないポイント

フィルターを押し下げる際に最後まで強く押し込むと雑味が抽出されます。フィルターが底に付いたところでそれ以上押し込まないようにしましょう。底の方のコーヒー液は過抽出気味で微粉も多いです。

複数杯の場合の注意

2杯分抽出して1杯だけ先に飲み、残りをプレスに入れたままにすると過抽出になります。先に2杯とも別の容器に移してから召し上がりましょう。

使用量の目安

1人前7〜8g程度。計算式は「注ぐお湯の量÷145cc×7g」。例えば350ccのお湯なら約17gの粉を使用します。

📅 2025.11.10 配信 ☕ きゃろっと内倉
挽き加減
☕ 抽出・淹れ方

細かすぎると

ペーパードリップでゆっくり注ぐのですが、うまく膨らまずあまり吸い込んでいきません。冷凍庫から出してミルで挽きすぐに湯をかけています。挽き方が細かすぎるとお湯が吸い込んでいかないということもあるのでしょうか?

細かく挽きすぎると炭酸ガスが飛び、表面張力でお湯が浸透しにくくなり、抽出ムラの原因になります。

  • 細かすぎると炭酸ガスが飛んで膨らまない
  • 表面張力でお湯が粉に浸透しにくくなる
  • 表面だけ過抽出、中心部は抽出不足に
  • 電動ならカリタ ナイスカットミルがおすすめ

細挽きすぎる問題

コーヒー豆を細かく挽きすぎると炭酸ガスが飛んでしまい膨らみません。また表面張力でお湯が浸透しにくくなり、表面だけ過抽出で中心部は抽出不足という抽出ムラが起きます。

おすすめのミル

電動式ならカリタのナイスカットミル、手動式ならカリタ・メリタ・ハリオ・ザッセンハウスのメーカーが安心。安価な手動ミルは極端に粗くなったり細かくなったり調整が効かない場合があります。

📅 2025.10.26 配信 ☕ きゃろっと内倉
マグカップ
☕ 抽出・淹れ方

マグカップの場合

マグカップでコーヒーを入れていますが、粉は何グラム入れればよいか、いつも味が違います。メジャーカップが色々あるので迷っています。

マグカップは通常カップの1.5〜2倍の容量。10ccあたり1gの豆が目安です。

  • 通常カップ120ccに12g、マグは180-250ccで18-25g
  • 目安は10ccあたり1gの豆
  • カリタのメジャースプーンはすり切り約10g
  • 大さじすり切り1杯で約8gでも代用可能

正確な計量の重要性

マグカップは商品によって容量が180cc〜250ccと大きく変わります。一度使用しているマグカップの容量を計ってみることをおすすめします。目安は10ccあたり1gの豆を使用し、好みに合わせて増減調整しましょう。

メジャースプーンの違い

カリタ(円錐型)はすり切り約10g、メリタ(逆三角錐型)はすり切り約8g。メーカーによって容量が異なるので注意。大さじのすりきり1杯で約8gでも代用できます。

📅 2025.10.11 配信 ☕ きゃろっと内倉
ミルと保温
☕ 抽出・淹れ方

ミルと保温

カッター式ミルで挽きムラがすごいです。ナイスカットミルも気になります。保温について、朝多めに抽出して後で温め直していますが、何か良い方法はないですか?

本格ミルはボンマック・ナイスカットミル・みるっこの3択。保温は濃縮コーヒーの急冷がベストです。

  • カット式(ボンマック・ナイスカットミル)は味の変質が少ない
  • グラインド式(みるっこ)はまろやかな口当たり
  • 熱い状態での品質維持は不可能
  • 濃縮コーヒーを作って急冷、飲むときに薄める方法が最良

ミルの種類と選び方

ボンマックとカリタ ナイスカットミルは「カット式」で味の変質が少なく、フジローヤル みるっこは「グラインド式」でまろやかな口当たり。いずれも業務用に遜色ない均一な挽き具合です。

保温の考え方

熱い状態での品質維持は不可能。濃縮コーヒーを作り急冷すると品質劣化が最も少ない。コーヒーが熱くなっている時間を減らせば減らすだけ品質劣化は防げます。

📅 2025.09.26 配信 ☕ きゃろっと内倉
味の安定
☕ 抽出・淹れ方

コーヒーの味を安定させるには

ドリップで入れる際、最初に蒸らしてゆっくりと90度くらいのお湯で入れていますが、1回1回味が異なり安定しません。渋みが出たり、苦みが出たり。

渋みや苦みの原因は「過抽出」の可能性が高い。応用編の抽出方法で改善できます。

  • 過抽出の原因:湯温高い・時間長い・粉に対しお湯多い・メッシュ細かい
  • 過抽出にならなければネガティブな味は出ない
  • 応用編は美味しい成分だけの前半で抽出を終える方法
  • 豆の量を1割増やして濃度を補うのがコツ

過抽出が最大の原因

コーヒーの抽出は過抽出にならなければネガティブな味は出ません。薄いだけで雑味は抽出されていない状態のほうがまだマシ。雑味が出る場合、豆の品質と焙煎が適切なら過抽出以外に原因はありません。

応用編の抽出方法

美味しい成分だけが抽出される前半で抽出を終え、豆の量を1割程度増やして濃度を補います。20gで足りなければ23gの豆を使用し、確実に過抽出にならない段階で抽出を終えることでクリーンなコーヒーになります。

📅 2025.09.11 配信 ☕ きゃろっと内倉
コーヒーの香り
💡 雑学

コーヒーの香りがしない

「コーヒーの香りはこのようなものだ」と脳が決めつけているため、新しいフレーバーを除外してしまうことがあります。

  • 香りや味の感じ方には大きな個人差がある
  • 深煎り歴が長い人ほど中煎りのフレーバーを感じにくい
  • コーヒー初心者の方が正しい評価をすることが多い
  • 経験を重ねるとほぼ100%の人が正しく評価できるようになる

先入観の影響

「本来のコーヒーの香り=今まで飲んできたコーヒーの香り」という先入観があるため、中煎りのスペシャルティコーヒーのフルーツを思わせるフレーバーが全く感じられないことがあります。長年深煎りを飲んできた人に特に多い傾向です。

感覚は鍛えられる

カッピングセミナーに回を重ねて参加するうちに、ほぼ100%の参加者が目隠しテストで正しい品質評価ができるようになります。先入観を取り払って楽しむことで新しい発見があります。

📅 2025.08.27 配信 ☕ きゃろっと内倉
温度変化を楽しむ
💡 雑学

温度による変化を楽しむ

カップ一杯のコーヒーを飲んでる時、温度が下がっていくと酸味が感じられるようになります。コーヒーはワインと似て飲み始めと中間、終わりで味が変化していく感じがしますが、どうなのでしょうか?

コーヒーの味や香りは温度とともに変化します。成分やフレーバーごとに感じやすい温度帯が異なります。

  • 高温ではフレーバー・アフターテイスト・酸の質が分かりやすい
  • 低温ではマウスフィール・クリーンカップ・甘さが分かりやすい
  • 冷めてから問題が出る銘柄は販売見送りになることも
  • 温度帯での変化を味わうのもコーヒーの楽しみ方の一つ

温度帯ごとの評価項目

品質評価でも高い温度帯と低い温度帯で評価する項目を狙い撃ちします。フレーバーや酸の質は高温時、マウスフィールや甘さは低温帯の方が分かりやすいです。

クリーンカップの重要性

特にクリーンカップ(透明感)は冷めてきてから顕著に感じやすくなります。高温で魅力的でも、冷めるとクリーンカップに問題が出る銘柄は販売見送りとなることもあります。

📅 2025.08.12 配信 ☕ きゃろっと内倉
農薬と安全
🫘 豆の知識

農薬

コーヒー豆の栽培で大量の農薬を使用している場合があると聞きました。その点についてのご見解を教えてください。

日本の検疫基準はアメリカの600倍厳しく、人体への影響は考えにくいというのが内倉さんの見解です。

  • オーガニック認証以外は少なからず農薬使用がある
  • 日本の検疫基準はアメリカの600倍厳しい
  • 無農薬でも管理不良なら植物が「天然農薬」を生成
  • 天然農薬は人工農薬と同等の悪影響がある場合も

ポストハーベストについて

収穫後に散布される農薬「ポストハーベスト」は通関時の検疫で管理されています。スペシャルティグレードの銘柄ではくん蒸処理はほとんどありません。

天然農薬のリスク

無農薬栽培でも管理が悪いと植物がストレスで「天然農薬」を体内に生成します。カリフォルニア大学の研究では、人間が摂取する農薬の99.9%以上が植物由来の天然農薬であるとの論文も発表されています。

📅 2025.07.28 配信 ☕ きゃろっと内倉
ハワイコナ
🫘 豆の知識

ハワイコナ

ハワイで100%コナコーヒーに出会い魅了されましたが高価です。コナコーヒーに近いものでおすすめを教えてください。

品種・精製方法・焙煎度で味が大きく変わるため、銘柄名だけで近い味を案内するのは難しいとのこと。

  • 同じ豆でも精製方法が違うだけで味が大きく変わる
  • コナコーヒーと同じ「ティピカ種」で探すのがヒント
  • ピーベリーとはチェリーに1粒しか入っていなかった豆のこと
  • 価格に対する品質を考慮し取扱いは厳選している

味を左右する要素

同じ豆でも「ウォッシュト(水洗式)」と「ナチュラル(自然乾燥式)」で味がかなり変わります。焙煎度が違うだけでも同じ豆とは判別がつかないほど変化します。「ティピカ種」で浅めの焙煎度で探すと近い味わいが見つかるかもしれません。

価格と品質のバランス

ハワイコナは毎年サンプルを評価していますが、200gで3,000〜4,000円の価格帯に。同じ品質スコアで約3分の1の価格で提供できる銘柄が多数あるため、販売は厳選しています。

📅 2025.07.13 配信 ☕ きゃろっと内倉
熱々コーヒー
🌡️ 温度

熱々コーヒーを飲む方法

パプアニューギニアを飲むとき少しぬるくなるのでコーヒーカップを温めてコーヒーを入れたら酸味が出ました。サーバーをコンロで温めてはいけませんか?

カップの事前温めはOK。でもコンロでサーバーを熱しながらの抽出はNG。飲みごろは40〜60度です。

  • カップを事前に温めるのは問題なし
  • コンロでサーバーを熱しながら抽出はNG
  • 電子レンジで60度程度なら問題ない
  • フレーバーや酸の質を考えると40〜60度が飲みごろ

再加熱の注意点

コンロでサーバーを熱しながら抽出するとサーバー底面の温度が高すぎて品質が劣化します。再加熱は電子レンジで60度程度ならそれほど問題ありませんが、アツアツにすると品質劣化は覚悟が必要です。

酸味の原因

粉の挽き加減が粗くなると酸味は感じやすくなります。また湯温が低すぎても酸の抽出は行われるため相対的に酸が強く感じることがあります。酸味が苦手なら深煎りの銘柄に変えるのもおすすめ。

📅 2025.06.28 配信 ☕ きゃろっと内倉
クリーンな抽出
☕ 抽出・淹れ方

クリーンな抽出

よりクリーンなコーヒーには「応用編」の抽出方法がおすすめ。微粉の影響と過抽出を同時に解決できます。

  • 微粉は先行して抽出が進み後半で雑味が出る原因に
  • 応用編では抽出時間が通常の1/3程度に短縮
  • 多少微粉が混ざっていても雑味成分の抽出前に終えられる
  • アメリカンとは全く別物で良い成分だけを取る方法

微粉の問題

微粉は粒が小さいため先行して抽出が進行し、抽出後半には好ましくない成分まで抽出されてしまいます。微粉そのものは悪ではありませんが、抽出の先行がネックです。

応用編の仕組み

抽出時間を1/3程度に短縮し、好ましくない成分の抽出量を大幅に減少させます。濃度はそのままで良い成分だけを取る方法で、薄めるアメリカンとは抽出される成分も濃度も目的も全く違います。

📅 2025.06.13 配信 ☕ きゃろっと内倉
コーヒーのカサ
☕ 抽出・淹れ方

コーヒーのカサ

コーヒー豆を料理用スプーンで量って20gだと少ない様で、30gだと美味しい様に思います。正確に測るメジャースプーンは購入できませんか?

焙煎度によって同じ体積でも重量が異なります。正確には料理用計量器で都度計るのが理想です。

  • 浅煎りは密度が高く重い(すり切り10g)
  • 深煎りは細胞が膨らみ軽い(山盛りで10g)
  • 深煎りは抽出効率が良く浅煎りより濃く出る
  • 深煎りで濃度不足なら少し多めに盛ると改善

焙煎度とカサの関係

コーヒー豆は焙煎時の水分の抜け方で「カサ(体積)」と「密度」が変わります。浅煎りは水分が残り細胞密度が高く重い。深煎りは水分蒸発で細胞が膨らみ体積は大きいが1粒は軽くなります。

深煎りの抽出効率

深煎り豆は細胞が大きく膨らんでいるため、お湯をかけた時の接触面積が増えます。そのため抽出効率がよく浅煎りより濃く抽出できますが、体積が大きい分、見た目で同じ量でも実際の重量は少ないことがあります。

📅 2025.05.29 配信 ☕ きゃろっと内倉
1人前は薄い
☕ 抽出・淹れ方

1人前は薄い

ペーパーの場合、2人分がベストなのでしょうか。1人分を抽出すると2人分の時より薄い感じになることがよくあります。

1人分の抽出はプロでも難しい。粉の層が薄くなり抽出不足が起きやすくなります。

  • 1人前は粉の層が薄くドリッパーの淵からお湯が流れる
  • 水圧も下がり成分抽出が不十分になりやすい
  • 2人前以上だと粉の層が厚くなり安定する
  • 応用編で2人前以上を抽出し、残りは高濃度で冷まして保存

1人前が難しい理由

粉の量が少ないと粉の層が薄くなり、ドリッパーの淵からお湯が流れて抽出不足が起きます。また注ぐお湯の量も少ないためドリッパー内にかかる水圧が下がり、成分抽出不足の原因になります。

おすすめの方法

応用編の抽出方法で2人前以上を抽出。1杯はすぐ飲み、残りは高濃度コーヒー液のまま冷まして保存。飲みたい時にアツアツのお湯を注げば、温度も丁度良く美味しいコーヒーが出来上がります。

📅 2025.05.14 配信 ☕ きゃろっと内倉
お湯だしと水出し
☕ 抽出・淹れ方

お湯だしと水出し

濃縮コーヒーを作って薄める方式は「邪道」に見えても、クリーンカップが明らかに違います。

  • 理想的な可溶物抽出率は20%程度
  • 20%以下は成分不足、以上は過抽出で雑味が出る
  • 水出しはクリーンカップの面で優れている
  • ただし水出しでは抽出不可能な香味成分がある

可溶物抽出率の考え方

理想的な可溶物抽出率は20%程度。これ以下だと良質な成分が十分に抽出できず、以上だと過抽出で雑味が出ます。きゃろっとの実店舗では2.5〜3倍程度の濃度のコーヒー液を抽出しお湯で割って提供しています。

水出しの特性

水出しコーヒーは鮮度劣化やクリーンカップの面で優れていますが、一定の温度を超えなければ抽出不可能な成分があるため、いくつかの香味・風味成分が抽出されません。好みで選びましょう。

📅 2025.04.29 配信 ☕ きゃろっと内倉
プレスの挽き加減
☕ 抽出・淹れ方

プレスの挽き加減

カフェプレスで飲んでいますが、他店では粗挽き、こちらのお店では中挽き。本来はどちらが正解ですか?金属フィルターやプレスの金属臭についても教えてください。

挽き加減はお店ごとに基準が異なります。ミルのメーカーや焙煎度で抽出効率が変わるため、そのお店の基準に従うのがベスト。

  • 同じ「中挽き」でもミルメーカーでメッシュが違う
  • 焙煎によっても抽出効率が大きく変わる
  • 金属臭は前回使用時の脂分の酸化臭の場合が多い
  • ネル・プレス・金属・ペーパーはそれぞれ美味しく淹れられる

挽き加減の基準

使用するミルのメーカーによって同じ「中挽き」でもメッシュにバラつきがあります。極端な例では、ある店の「粗挽き」が別の店の「細挽き」になることも。そのお店の基準に従うのが最も美味しく召し上がれます。

金属臭の正体

前回の使用から時間が経過し洗浄が不十分だった場合、フィルターに残ったコーヒーの脂分が酸化してコーヒーの味に悪影響を与えます。この酸化臭を「金属臭」と感じるお客様もいます。洗いすぎてもコーティングが取れて金属臭が付く場合があります。

抽出方法の比較

ネルドリップ、プレス、金属フィルター、ペーパードリップは適切に行えばそれぞれ美味しく淹れられます。サイフォンやパーコレーターは構造上、美味しく淹れるのは困難とのこと。

📅 2025.04.14 配信 ☕ きゃろっと内倉